お知らせ
2020-11-04 08:00:00
私たちは、常日頃から、少しでも自分をよく見せたい、正当化したいと思う気持ちが強いのではないでしょうか？しかし、そのような思いが強ければ強いほど、欲望を押し通そうとするために、結果として他者を傷つたり、悲しませたりすることもあります。
親鸞聖人晩年の手紙に「浄土宗の人は愚者になりて往生す」という法然上人のお言葉を引用されました。ここでいう「愚者になる」とは、学校の成績や一般的な教養の有無などから言う愚かさではなく、人間が持つ自己中心的な考えからくる根本的な愚かさのことをさします。
自分の愚かさを自覚することはなかなかできることではありませんが、もし、自分自身の姿に目を背けることなく、愚者の自覚を持つことができれば、自分以外の他者をも理解し、認めていくことができるのです。
このような人間の本性を見抜き、知りつくした上で、愚かさのまま、煩悩のままに間違いなくさとりの岸へ至らせてくださるのが南無阿弥陀仏であります。
阿弥陀如来の救いの確かさ、お慈悲のあたたかさを聞きひらくことにより、「はずかしい、もったいない、ありがとう」の心が生まれ、この私が「愚者」と気づかされ、真実を見る目が開けていくのです。
